人災はある日突然やってくる

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  2月の猛威 4  

  期末テスト最後の問題用紙が回収され、梢は深い溜め息をついた。
 最悪だった。今回の期末テストはこれ以上ないくらい最悪だった。
 初日に届いた三沢からのお誘いメールをきっかけにここ二日まともに勉強できなかった。期末テスト前にせっかく頭に叩き込んだ知識も余分なことを考えていたせいですっかり消えてしまった。
 赤点は回避できたと思う。でもそもそもの問題は全く解決していない。
 三沢のメールには一昨日から全く返事をしていない。多分それが原因でここ二日の間に三沢からは二桁のメールが届いていた。多分というのは名前を見ただけでメールを開いていないから。それでもタイトルだけで内容は察しがつく。打ち上げの誘いを断るのだけはしっかりしないとと思いつつ、引き延ばしにしてしまっている。
 返事がなかったら、しかも突然ぷっつりメール返さなくなったら普通はわかるよね?
 自分がしていることは感じが悪いと思う。でも、断りメールはちゃんとするつもりだった。それなのに、メールしようとするとどうしてか手が止まってしまった。そしてぐるぐると考え込んでしまう。三沢のこと。――秋田君のこと。
「浅間さん、やけに疲れてるけど大丈夫?」
「大丈夫じゃ……ない」
「なんか昨日から様子が変だけど――」
 そこつっこまないでよ。
 お願いだから放っておいて。  
 秋田君のことでも悩んでるんだから普通に話しかけてこないでよ。
 胸の中では秋田君を非難しながらも、現実は何も言えない。戸惑っている秋田君を引っ張ったのは佐和子だった。
「疲れて話したくないオーラ出してる梢に話しかけるのやめたら?女はデリケートなんだから触り方間違えるとボロボロになるんだからね。ほら、どいたどいた」
 そして佐和子は前の席にお弁当を置いて机を向かい合わせにした。それにつられてのろのろとお弁当を出す。秋田君は何か言いたげな顔をしていたけど自分の昼食を買うことを思い出したのか教室から出て行った。
「梢、背景に熱帯低気圧が見えるよ」
「台風って言ってよ」
「言い方なんてどうでもよくない?」
「うん」
 佐和子と話をしながらも気持ちは別のところに行っていた。
 考えてしまうことはたくさんある。
 でも早くメールをしなきゃ。
 携帯を取り出して机の上に置いてるのにそこから先に進めない。そこから先がまた面倒なことになりそうで。断りメールをしたらすぐに返事が来るだろう。きっと聞かれる。なんで?どうした?理由はいくらでも作れる。でも三沢はそれで引き下がる気がしない。溜めてしまったメールを開くのも億劫だ。未開封メールを報せる着信ランプはここ二日間ずっと光りっぱなし。今もずっとピンクの光が点滅していて、佐和子もその意味を知っているから指摘しない。
「行かないのは早く言った方がいいよ。今日の話なんだし」
「わかってる」
「代わりに打とうか?私と約束があるとか言えばいいんだし」
「うん……」
 佐和子の気持ちは嬉しい。でも気乗りしないのは佐和子を巻き込んでもいいことはないと思うから。迷惑をかけるばかりだし。関係のない人に頼っても問題の解決にはならない。
「それともいっそ無視する?梢そういうの好きじゃないよね」
 佐和子はよくわかっている。だめならだめでしっかり伝えておきたい。無視するやり方はあまり好きじゃなかった。
「もしかしたら返事がないから向こうも気が変わってるかもよ。溜まったメールの中にやっぱそれ無しってのがあったりして」
 それならどんなにいいか。
 でもタイトルからはそんな気配は感じられなかった。とはいえ、三沢の気が変わっていたら見当違いのメールを送るのはまずい。やっぱり放っておいたメールは見るしかない。
 いつまでもうじうじしていられない。
「わかった。後で見る」
 決意を伝えると佐和子は「頑張れ」と頷いた。そこに「浅間さん」と声がかかる。
 目の前にプリンを置かれてきょとんとする。顔を上げると秋田君が購買のパン片手にこちらを見ていた。
「秋田君?」
「あげる。食べて」
 それだけ言って秋田君は窪田君のところに行ってしまった。その後ろ姿とプリンを何度も見比べる。
「うーん、優しいねえ」
 ほんの少しだけ感心した様子で佐和子がにやりと笑った。
「ありがたくもらっときなよ」
「あ、うん」
 購買で人気のプリン。前に一口もらった時に美味しいと言ったのを覚えていたんだろうか。
 ああもう、秋田君にも心配かけてしまってる。それなのに気遣いが嬉しい。
 秋田君のことでも悩んでるのに、秋田君に喜ばされるなんて。
 でも悪い気はしなかった。



 午後の授業が終わり、珍しく帰りが真衣ちゃんと一緒になった。いつもは彼氏の窪田君と一緒に帰ってる真衣ちゃんだけど、今日窪田君は部活後にそのまま部活メンバーと約束があるらしい。
「月イチくらいでこういう日があるんだよねー」
 真衣ちゃんも慣れたもので特に不満はないらしい。つきあう前はすれ違っていた二人だけど、つきあい出してからはうまくいっている。喧嘩も結構しているけど多分それがいいんだと思う。本気でぶつかり合うのは周囲にとっては少し大変な時もあるけど。
「こずっち暗いけどなんかあった?もしかしてまた秋田君関係?」
「んー、別件っていうか……」
 実はまだ三沢にメールを返していなかった。流石にまずいと思い、真衣ちゃんがいるものの慌ててメールチェックを始める。ここ二日間で届いたのは割とどうでもいい内容と返事が遅いのを尋ねる内容と。最新のものは一時間前に届いていた。
<なんか、あさこメールできないくらい余裕ないみたいだから俺むかえに行くよ。じゃあ、後でな! 三沢>
「なんでそうなるの!?」
「こ、こずっち?」
 急に声を上げたせいで真衣ちゃんが驚いたけどそれに構っている余裕はなかった。
 迎えにくるって――――ここへ?
 今ならまだ間に合う?
 断らなきゃ。行けないって言わなきゃ。
 あんなに連絡取るのを躊躇っていたにも関わらず、直接電話をかける。三沢はすぐに出た。
「三沢?」
「お、あさこ。テストお疲れー。メール見た?」
「見た。全然返せなくてごめんね。テストでそれどころじゃなくて」
「だと思った。いや、やっぱインフルエンザ明けのテストは辛いよな。ってなわけで今日はいろいろ愚痴も言い合おうぜ。俺、もうあさこの学校の前まで来てるんだけど――」
「え、もう?」
 本当に?
 校門に視線をやると認めたくない光景がそこにあった。
 携帯を片手に手を振る他校の制服。傍らには自転車。
「な?」
 いくらなんでも早すぎる。
 でもここまで来させておいて断るのは流石にどうかと思う。さっさと断らなかったせいで三沢がここまで来てしまったんだから自分がまいた種だ。
 今日だけくらいなら仕方ないか。
 決意して携帯を切る。
「なんか違う学校の人がいるね。なんだろ、あれ。手振ってる……って、こずっちの知り合い?」
 こちらが手を振って応えるのを見て真衣ちゃんが小さく驚いた。
「中学の同級生」
「そうなんだ。こずっち、もしかして約束とか……?」
 最後の方の声が小さくなったのは違って欲しいからだろう。本当に、違っていたらどんなによかったか。約束はしていないつもりだけど――。
 真衣ちゃんの質問には答えないで三沢のところまで行くと屈託のない笑顔を向けられる。
「丁度良かったな。間に合うかわからなかったけど自転車猛スピードで漕いだかいがあった。ところで地元まで行く?この辺にしとく?あさことゆっくり話できるなら俺はどっちでもいいけど」
 この辺はまずい。
 知り合いに見られたらただでさえ巨大な尾ひれがついてしまった噂に新しい話が加わってしまいそうだ。それを考えたらいつまでもここにいるのはまずい。さっさと移動しないと。
「地元の」
「だめだよ」
 話している途中で間に入ってきたのは真衣ちゃんだった。
「こずっちには秋田君がいるんだから」
「え、彼氏いないんじゃなかたっけ?」
 真衣ちゃんの言い方だと三沢がそう勘違いするのは当然だ。
 紛らわしいこと言わないでよ。変にドキッとさせられる。
「うん、彼氏じゃないよ」
「彼氏も同然でしょ!」
 秋田君を応援している真衣ちゃんとしては納得できないらしい。真衣ちゃんはさっと携帯を取り出すと電話をかけた。
「あ、秋田君!今どこ?早く来て!じゃないとこずっち秋田君の知らない男とどっか行っちゃうよ!…………だーかーらー!!」
 すごい剣幕でまくし立てる真衣ちゃんは周囲の注目を集めてる。しかも内容が内容だ。同じ学年の人達の視線が集まるのを感じて顔が熱くなる。
「ちょっと真衣ちゃん、そんなんじゃないって!」
「こずっちは黙って!……秋田君急いでよ!え?男?こずっちと同じ中学らしいよ。……絶対違うって!」
 電話の向こうで秋田君は何を言っているんだろう?気になる。でもわからない。というか、この状況から抜け出したい。
「あさこ、あれ何?秋田って?」
 三沢は真衣ちゃんに若干ひいている。ここはもう目立つ場所にいない方がいいかもしれない。
「取り敢えず、歩こう?」
「地元でいい?なんかすげー注目されてるみたいだし」
「そうして」
 二人で逃げるがごとく早足で移動を始めると真衣ちゃんもついてくる。
「こずっち!行っちゃだめだって!」
「わっ」
 がしっと腕に飛びつかれる。
 ぱっちりした大きな目が咎めるように下から見上げてくる。
「秋田君がいるのにそういうのだめだってば。絶対いいことないし!」
「あのね、真衣ちゃん、友達とちょっとお茶するだけだって」
「二人きりはよくないよ!誤解されるし!」
 あの、既に手遅れなくらいいろいろ誤解されてるんだけど。
 でもこの一件で更にいろいろ囁かれるのはもう目に見えている。ほら、通行人が立ち止まって見物人になってるもの。
 もう真衣ちゃんを理由に三沢を断ってもいいんじゃないか。元々二人で会うつもりなんて無かったんだし。遠い目でそんなことを考え始める。
 真衣ちゃんに凄い力で止められて前に進むことも出来ず逃げていくことも出来ず。途方にくれているところに走り込んできたのは秋田君だった。
「遅い!」
 一喝するのは真衣ちゃん。でも秋田君は息を切らせてむせている。よっぽど必死に走ってきたんだと思いながら目を見て息を呑む。
 秋田君は必死だ。これまで見たことがないくらい。
 危機感と自分の意思を通そうとする強さが同時に存在している。
「あれが秋田ってやつ?」
 三沢が面白く無さそうに尋ねる。秋田君から目を離せないまま頷いた。すると三沢が自転車をひきながら前に出る。
「一体何?俺、これからあさことファミレスでも行こうかって話してたんだけど」
 話しかけられた秋田君は少しの間三沢を見たものの、視線をこっちに向けた。
「話があるんだ、浅間さん」
 トクンと心臓が大きく鳴った。
「今からだめかな?」
 聞きながらも拒否しないで欲しいという気持ちが伝わってくる。 
 三沢と行くな。
 そう言われているようで。
 真剣な眼差しで見つめられて心臓の音がどんどん速くなっていく。
 よく思わなかったのは三沢だ。
「あさこは俺と約束してるんだけど」
「浅間さん」
 またもや秋田君は三沢に答えなかった。
「おい、お前なんだよ」
 三沢は秋田君の真正面まで行く。そこまで行けば秋田君の視界に嫌でも入る。やっとまともに三沢を見た秋田君は無表情に見えて、瞳は穏やかではなかった。
「俺も浅間さんに用があるんだ」
 ここは譲らない。
 そんな幻聴が聞こえるようだ。
 秋田君が来るまで騒いでいた真衣ちゃんは黙って三沢を睨んでいる。更には、興味津々でこちらを窺っている生徒達。
 なんでこんなことになっているんだろう。
 断りのメール一つ送るのを渋ったのが原因で大げさなことになるなんて。
 テスト前にインフルエンザになったり、三沢のことで迷ったり、秋田君のことで悩んだり。挙げ句の果てには人前で取り合いされて。
 それなのに不思議だ。さっきまでの悩みが軽くなっていた。
 睨み合う二人を見ながらこの事態を終わらせようと息を吸い込む。
「三沢」
 声をかけると、一斉に視線が集まった。
 一瞬怯みそうになる。でもくじけてられない。
「ごめん」
「……あさこ?」
「三沢とは行けない」
「え、だって一昨日約束……」
「本当は断ろうと思ってたんだ。来て貰ったのに変なことになってごめん」
 呆然とする三沢に申し訳ない気持ちになる。
 でも三沢の気持ちには応えられない。だから変な期待を持たせたくない。最初からそう思っていた。だからこれはきっと間違っていない。
「俺はだめで、そいつはいいって?」
 小さくなった声で三沢に秋田君のことを聞かれ、頷く。
「何が違うんだよ」
 そう言われると、もう苦笑するしかなかった。
「全然違うよ。秋田君は誰とも比べられない。だから……ごめんね」
 きっぱり断ると三沢はがっくりと項垂れた。
 秋田君に視線で合図してこっちに呼び寄せる。
「浅間さん……」
 珍しく強張った顔をしている秋田君の腕に手を触れ、三沢に背を向けた。
「行こう」
 秋田君とその場を後にしながら考える。
 まだ問題は終わってない。ここからが正念場だ。  



 秋田君と無言で歩いていく。
 張り詰めた空気は重く、話しかけるタイミングを見失っていた。
 それなら秋田君が何か言うまで黙っていようと決めたけれど、とうとう駅に着いてしまった。秋田君とは反対方向だ。このまま別れてもいいんだろうか?
 大きな柱の前で二人で向かい合うと、辛そうな秋田君の表情に驚いた。
「いつもの無表情笑顔はどこに行ったの」
 目だけじゃない。ちゃんと、顔全体に感情が出ている。
「そんなの、構ってられないよ」
「なんで?」
「浅間さんが誰かに取られるかって状況で平気でいられるわけない」
 誰かに取られるとか、そんな大げさな。
 でも秋田君に電話した真衣ちゃんはあれこれ凄まじいことを言っていたし、三沢の気持ちを考えればあながち間違いでもないかもしれない。
「焦った?」
「すごく」
「普段余裕なのに」
「あの人、浅間さんのこと好きだったろ?」
「あ、わかった?でも本人からは言われてないよ」
「浅間さんがわかってて行くのは嫌だ」
 それはそうだろうと思う。
 でも秋田君は肝心なことを忘れてない?
「秋田君、そういうこと言える立場じゃないと思うんだけど」
「だから強引に浅間さんを連れて行けなかったんじゃないか。すごく後悔してる。あの時はまだつきあわなくてもいいかって思ったけど、他のやつのことなんて考えてなかった。俺はとっくに浅間さんの見方を変えてたよ。でも言って浅間さんが離れたらどうしようって考えたら勇気が出せなかった」
 わかりやすい言葉はないけれど秋田君が言いたいことはよくわかる。
 そうか、知らない内に私は秋田君の中で大きくなっていたんだ。瞼を閉じて秋田君の言葉を噛みしめる。全身にその思いを巡らせるように。
「三沢は中学の同級生なんだけど、この間病院で久しぶりに会ったの。早退した日に病院で。同じタイミングでインフルエンザにかかったから結構メールとかしてたんだ。三沢ってやたらとメールするんだよね。こっちが面倒になるくらい。今日は二人で食べに行こうって誘われててちょっと困ってた。三沢の気持ちわかってたし。期待させたくないし。だからすごく恥ずかしかったけど真衣ちゃんと秋田君には助けられたよ」
 三沢に気持ちがないことを伝えると秋田君は少しホッとしたようだった。表情が柔らかくなってこっちもホッとする。でも心臓はドキドキしている。
 一昨日から考えていたこと。
 秋田君と三沢は何が違うのか。
 三沢と再会してからなんとなく感じ取っていた彼の行動についての違和感。不満。
 秋田君のメールは元々嫌じゃなかった。三沢は段々鬱陶しくなった。
 秋田君とメールしたり電話したりするのは休んでる間の楽しみだった。
 秋田君とのやりとりする時に三沢に割って入られるのは好きじゃなかった。  
 それは秋田君の接し方が私にとって心地良かったから?――必ずしもそうじゃない。だって秋田君はわざと動揺させるようなことも言うし、ちょっと嫌がるくらいのことはしてくる。そもそも学校中で飛び交っているいい加減な噂話は秋田君のせいでできあがってるわけで、とてつもなく迷惑をかけられてきた。そういうところは三沢の方がよっぽど普通だと思う。
 でも秋田君は本気で突き放せない。三沢は二度と会えなくても構わないと思う。その違いは?
 私自身の気持ちの問題だと自覚すればもう認めるしかなかった。
 さっき秋田君が必死で駆けつけてくれたのが嬉しかった。相手にもならない三沢に嫉妬していたのも嬉しかった。
 つまり、そういうこと。
 ずっと周りの人達がいろいろ言うのが嫌でそればかり気にしてきた。でも秋田君だけを見つめてみれば自ずと答えが出てくる。
 秋田君は誰とも比べられない。だっていつの間にか特等席を占拠してたんだもの。気づいた時にはとっくに他の人が入れなくなっていた。
「秋田君、携帯貸して」
「え?」
「いいから出して」
 有無を言わせない調子で手を出すと秋田君は首を傾げながら携帯を置いた。それを勝手に開いて操作する。そして戸惑っている秋田君に画面をつきつけた。
「これ、上書きしていい?」
 秋田君の目がみるみる丸くなる。
 いじったのは電話帳。秋田君に見せているのは私の連絡先。編集画面を凝視していた秋田君は今までで一番の笑顔になった。満面の笑みに私も笑顔を浮かべる。
「ハートもつけていい?」
 返ってきたのは変化球。流石に緊張していたのに妙に気が抜けてしまう。でも笑顔は崩さなかった。
「それは嫌」
「やっぱり?」
 秋田君は痛くもかゆくもないようだ。当然と言えば当然だ。しかし次に言われたことはまともだった。
「浅間さんのも変えてくれる?」
「当たり前でしょ。変えなかったらどんな酷い女よ」
「本当だ」
 二人で小さく吹き出して、もう一度画面を見る。
「じゃあ、いいよね」
「大歓迎。というか、お願いします」
 秋田君が決定ボタンを押した。
 変えたのはグループ設定。「友達」から「彼女」へ。
 私の携帯の方は秋田君に変えてもらった。
 こうして私と秋田君は暴走している噂に一つ近づくことになった。



おまけ:その後、梢と同じ学校の面々から三沢に届いたメール
男子より
 <あさこと秋田ってうちの学校で一番有名なカップルだぜ?先に聞いてくれれば俺いろいろ教えてやったのに。そうすりゃお前もあんなことにはならなかったのにな。同情するぜ>
 <あの二人は夫婦レベル。引き離すのはムリ>
 <当て馬乙。あいつら前より仲よくなってたぞ>
女子より
 <何やってんの!って言いたいけど、三沢もショックだったよね。元気出して次行きなよ。頑張れ!>
 <あさこと秋田君はうちの2年全員が認めるバカップル。引き離そうとするとあのクラス全員敵に回すよ。っていうか、相手にもされなかったみたいだけど。ご愁傷様>
 <災難だったね。梢のことは諦めた方がいいよ。秋田は手強い。 佐和子>
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